木の風合いを感じ、オーガニックに暮らせるキッチン
この事例は、メゾネットタイプのマンション(マンションですが2階層の部屋のこと)をフルリノベーションしたものです。
無機質になりがちなマンションですが、お施主様は木が好きで、木の風合いを感じられるつくりにしたいとのご要望でした。
床は杉の無垢のフローリングを張りました。
杉の無垢材は柔らかく、足触りはとてもソフトで快適です。多少の傷であれば濡れタオルで優しく濡らしてあげれば修復可能です。
無塗装だと汚れが付くので、自然素材のワックス掛けをしておくと安心です。どんなワックスが良いかは、住まう方のタイプにもよりますので、お施主様のタイプに合わせてアドバイスさせていただいています。
キッチンも天板からキャビネット(キッチンの収納部分)まで全て木でつくりました。
形はコの字型です。実はこれには理由があります。コストの都合もありキャビネットを全て開き扉にしたので、使い勝手を考慮し奥行きを浅めにつくってあります。そうすることで奥の物を取り出しやすくしたのですが、浅めにつくると全体の容量は小さくなります。そこで容量を補うため、コの字に回すことで全体の収納量を確保しています。
また言わないとなかなか気づかないのですが、ガスコンロが付いているあたりは壁と平行ではなく少し壁と角度を付けています。これはキッチンに立つ方の視線が手前側のリビングまで入るようにするための配慮です。こうすることで、キッチンに立つ方はリビングに居るご家族の気配を目の隅で感じながらお料理ができるのです。
このような細やかな配慮を加えられるのも、オーダー・オリジナルキッチンだからこそなのです。
Photo by Mariko Yamamoto